私の作品解説(4) office S(九段下)

2007.01.16

この作品は税務会計事務所のインテリアデザインです。


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こちらのオフィスは賃貸物件です。
施主はこの空間を所有している訳ではないので、
テナントを出る時は現状復旧しなくてはなりません。


使いやすさ、見た目の美しさはもちろんのこと、将来の
退去時にかかる費用を可能な限り抑えて差し上げたい
という施主への配慮を念頭に、柔軟なプランニングと
デザインをご提案しました。


施主の要望は「来客スペース」と「執務スペース」の
エリア分けでした。様々なプランを練りましたが、
両スペースを壁で区画すると「来客スペース」は
大きな開口部のある明るい空間ですが、「執務スペース」
が小窓のみの薄暗いバックヤード的な空間になり、
そのままではよくある悪しきゾーニングになってしまいます。


そこで、両スペースのエリア分けを「磨りガラス」の半透明な
壁とし、採光は確保しつつ、お互いのプライバシーも確保
できるように考えました。


それと、冒頭で申し上げましたように大掛かりな工事としない
ことと、空間の広がりを考慮して天井には壁が接しないエリア
分けを考えました。


床だけでは壁は固定できませんので「壁」ではなく、コート掛け
と飾り棚という機能を付加し壁に厚みを与え「家具」を配置する
ような形でエリア分けすることにしました。


これは半透明な壁に厚みをもたせることで、視覚的に人の行為
が透けて見えないようにするとともに、よりお互いのプライバシー
を確保しやすいようにするための配慮です。


その結果、内装工事としての項目が

「家具工事」
「ガラス工事」
「サイン工事(ロゴのカッティングシート張り)」
「電気工事(家具組込みの間接照明)」

に集約されましたので、工期の余裕を施主から頂き、
親請けの内装業者を立てずに分離発注することになりました。


分離発注に対する私の考えは、先のコラムに掲載して
おりますので、以下ご参照下さい。

参考コラム:
芝公園のラウンジ (2006.10.19)
「分離発注」について (2006.10.27)
工事業者の請負形態とその組織図 (2006.12.26)
デザイナーの役割と意義 (2006.12.27)


作品に対する考えとしては「studio F」に共通する点も多く、
今、改めて顧みるとインテリアデザインと家具デザインの
中間領域にあたるところに自分の興味が向かっているよう
に感じるとともに、このようなデザイン手法はその後の作品
にも傾向として見受けられ、新たな展開を考えることが自身
の次の課題であると受け止めました。


長谷川聡

次回の「私の作品解説」showroom M (西新井)です。

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